近年は、ストレージの容量に関する記事で、『TB』(テラバイト)のほか、『TiB』(テビバイト)という表記を見かける機会も増えましたよね。
今後、固定ページの『今さら人に訊けないPC基礎』でも、『GiB』とか『TiB』とかいった接頭辞が出てくることになるので、番外編として、こちらにまとめておくことにしました。

 

SI接頭辞

SI接頭辞とは、国際単位系(SI)で規定されている単位の倍量、累乗を10進数で表す接頭辞です。国際単位系(SI)とは、国際的に用いられている単位の総称で、1960年の国際度量衡委員会の総会で決定されました。たとえば、『1000(10^3)m』は、『1km』と表記されます。この『k』にあたる部分がSI接頭辞です。
国内では、1974年にJISの『国際単位系(SI)及びその使い方』が制定され、1990年の日本工業標準調査会の会議で『すべての規格でSIのみを規格値とする』と決定されました。

SI接頭辞
SI接頭辞

 

1KB=2^10バイト? 10^3バイト?

コンピュータの世界は2進数での計算が基本です。そのため、ストレージの容量などは、1000(10^3)にもっとも近い、1024(2^10)を基底にして、SI接頭辞に倣った補助単位をつけることになりました。たとえば、1バイトは『1KB』、1024KBは『1MB』といったふうに表記されます。でも、実際には、1K=1024で計算する場合と、1K=1000で計算する場合が混在するようになります。

PCユーザーの裾野が広がり、とくに情報工学分野に興味関心があるわけでもない人でも、当たり前にPCを使う時代になってしまったのですから、128GBと表記されているハードディスクと、137GBと表記されているハードディスクが同じ容量のハードディスクということになってしまうと混乱を招くのも無理はありません。

ストレージの容量やデータ通信の規模が拡大していけばいくほど、SI接頭辞と、それに倣った2進接頭辞の誤差も大きくなっていくのですから、それが10進数で計算した接頭辞なのか、2進数で計算した接頭辞なのか、明確に区別する必要性が生じたのです。
こうした世相を背に受けて、IEC(International Electrotechnical Commission :国際電気標準会議)が、1KBを1024バイトとして計算したことを明確に区別する2進数接頭辞を承認しました。
IECは電気、電子工学分野などの技術を扱う標準化団体で、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)の電気電子工学分野の標準化作業も担っています。

 

IEC規格の2進接頭辞

SI接頭辞と区別するために、IECが承認した接頭辞では2進数を表す「bi」を接頭辞につけました。複数の読み方があるものもありますが、一般的には以下の通りです。

IEC2進接頭辞
IEC2進接頭辞

製品としてのハードディスクには、工業規格値としてのSI接頭辞が用いられてきたから10進数での計算と、コンピュータ本来の2進数での計算がごっちゃになってしまったということでしょうが、近年、技術系の解説書や記事では、ストレージ容量の表記に、『2TB』といった表記ではなく『2TiB』 と表記が使われる傾向が強くなっています。